初めてクレジットカードを作るとき、種類の多さに圧倒されていませんか。年会費、ポイント還元率、付帯サービスなど、比較すべき項目が多く、どれを優先すべきか迷ってしまうのは当然です。
1枚目のカード選びを間違えると、年会費だけを払い続けることになったり、せっかく貯めたポイントを使えなかったりする可能性があります。
クレジットカード初心者が最初の1枚を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、初心者がカード選びで失敗しないための基準と、具体的な選び方を解説します。
当記事の内容と合わせて、一般社団法人日本クレジット協会が作成しているクレジットのつかい方も見ておきましょう。
初心者の1枚目は「年会費無料」が鉄則
クレジットカード初心者がまず重視すべきなのは、年会費が永年無料であることです。年会費無料のカードなら、カードを使う頻度が低くても維持コストがかかりません。
初めてカードを持つ段階では、どのくらいの頻度でカードを使うかも予測できないため、年会費無料のカードから始めることで失敗のリスクを避けられます。
年会費無料には3つのパターンがあります。「永年無料」は条件なしでずっと無料、「初年度無料」は最初の1年だけ無料、「条件付き無料」は年間利用額などの条件を満たした場合のみ無料です。初心者には、条件なしで永年無料のカードが最も安心です。
年会費有料カードを避けるべき理由
年会費が数千円から数万円かかるゴールドカードやプラチナカードは、付帯サービスが充実しています。しかし、初心者の段階ではこれらの特典を使いこなせず、年会費だけを支払うことになりがちです。
空港ラウンジの利用や手厚い旅行保険などの特典は、必要性を感じてから検討しても遅くありません。
ETCカード・家族カードの年会費も確認
本体カードが年会費無料でも、ETCカードや家族カードの発行に費用がかかる場合があります。将来的にこれらのカードが必要になる可能性がある方は、発行手数料や年会費も事前にチェックしておきましょう。
ポイント還元率は1.0%以上を目安に選ぶ
クレジットカードの大きな魅力の一つが、利用額に応じたポイント還元です。初心者の1枚目を選ぶ際は、ポイント還元率にも注目しましょう。
一般的にポイント還元率が1.0%以上あれば「高還元率」とされています。
還元率0.5%と1.0%では、わずか0.5%の差に見えますが、長期的には大きな違いになります。年間100万円利用した場合、0.5%なら5,000ポイント、1.0%なら10,000ポイントと、5,000ポイントもの差が生まれます。
基本還元率と特定店舗での還元率の違い
カードによっては、基本還元率は平均的でも、特定の店舗やサービスで利用すると還元率が大幅にアップするものがあります。
コンビニやカフェ、オンラインショッピングなど、自分がよく利用する場所で高還元が受けられるカードを選ぶと、効率よくポイントを貯められます。
| 還元率 | 年間50万円利用時 | 年間100万円利用時 |
|---|---|---|
| 0.5% | 2,500ポイント | 5,000ポイント |
| 1.0% | 5,000ポイント | 10,000ポイント |
| 1.5% | 7,500ポイント | 15,000ポイント |
ポイントの使いやすさも重要
還元率が高くても、ポイントの使い道が限られていたり、交換手続きが複雑だったりすると、結局ポイントを活用できません。初心者には、商品交換、キャッシュバック、他社ポイントへの移行など、使い道が豊富なカードがおすすめです。
ポイントの有効期限も確認しておきましょう。
国際ブランドは「Visa」または「Mastercard」を選ぶ
クレジットカードには国際ブランドがあり、主要なものはVisa、Mastercard、JCB、American Express、ダイナースクラブの5つです。
国際ブランドによって使える加盟店が異なるため、初心者の1枚目では加盟店数の多いブランドを選ぶことが重要です。
国内外で加盟店が多いのはVisaとMastercardです。日本国内ではJCBも広く使えますが、海外では使えない店舗が多い傾向にあります。
最初の1枚は、幅広い場所で使えるVisaまたはMastercardを選んでおけば、支払いで困ることはほとんどありません。
海外利用の可能性も考慮する
海外旅行や出張の予定がある方は、特にVisaまたはMastercardを選ぶべきです。これらのブランドは世界中で広く受け入れられており、海外でのショッピングや飲食でスムーズに利用できます。
初心者が確認すべきセキュリティ機能
初めてクレジットカードを持つ際は、セキュリティ面への不安もあるでしょう。不正利用のリスクを最小限に抑えるために、セキュリティ機能が充実したカードを選ぶことが大切です。
近年、カード券面に番号が印字されていない「ナンバーレスカード」が増えています。カード番号はアプリで確認する仕組みで、万が一カードを紛失しても番号を盗み見られる心配がありません。
また、スマホアプリでリアルタイムに利用通知が届く機能があれば、不正利用があってもすぐに気づけます。
- 24時間365日の不正利用監視システム
- ナンバーレスデザインによる情報保護
- スマホアプリでのリアルタイム利用通知
- 本人認証サービス(3Dセキュア)対応
- 不正利用時の補償制度
利用明細の定期チェックで使いすぎを防止
セキュリティと同様に重要なのが、カードの使いすぎ防止です。多くのカード会社はスマホアプリで利用明細を簡単に確認できるサービスを提供しています。週に1度など定期的に利用明細をチェックする習慣をつければ、使いすぎを未然に防げます。
初心者におすすめの付帯サービス
年会費無料のカードでも、さまざまな付帯サービスが用意されています。初心者の1枚目としては、必要最低限の機能があれば十分ですが、あると便利なサービスも知っておきましょう。
海外旅行傷害保険は、海外旅行中のケガや病気、盗難などをカバーする保険です。年会費無料のカードでも付帯しているものがあります。
保険には「自動付帯」と「利用付帯」があり、自動付帯はカードを持っているだけで保険が適用され、利用付帯は旅行費用をそのカードで支払った場合のみ適用されます。
ショッピング保険とその他の特典
カードで購入した商品が破損・盗難に遭った場合に補償されるショッピング保険も、あると安心です。
また、カードによっては特定の店舗での割引優待や、会員限定のキャンペーンなどの特典が用意されています。自分のライフスタイルに合った特典があるカードを選ぶと、さらにお得に活用できます。
参考リンク:一般社団法人日本クレジット協会