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財布の中のクレジットカードを見て、「もう1枚作った方がいいのかな」と悩んでいませんか。周りの人が複数枚持っていると聞くと、自分も増やすべきかと考えてしまうものです。

一般社団法人日本クレジット協会の2024年3月末の調査では、成人1人あたり平均約3枚のクレジットカードを保有しています。ただし、平均値だけで判断するのは危険です。あなたにとって2枚目が本当に必要かどうかは、現在の使い方と求める価値によって変わります。

2枚目を作るべきか判断する3つのチェックポイント

クレジットカードの2枚目を作るかどうかは、以下の3つの視点で判断できます。それぞれのポイントで「はい」が多いほど、2枚目を持つメリットがあります。

今のカードで困った経験があるか

1枚目のカードで実際に不便を感じたことがあるなら、2枚目を検討する明確な理由になります。例えば、以下のような経験はないでしょうか。

  • 店舗で「このカードは使えません」と言われた
  • カードが磁気不良で使えなくなり、再発行まで困った
  • 月末に利用限度額に達して、必要な買い物ができなかった
  • よく使う店で他のカードの方がポイントが貯まると知った

これらの経験がない場合、2枚目は急いで作る必要がないかもしれません。

特定の場所で頻繁に買い物をしているか

特定のスーパー、コンビニ、ネットショップを週に何度も利用しているなら、その店舗で還元率が高いカードを2枚目に選ぶことで、年間で見ると大きなポイント差が生まれます。

逆に、買い物をする場所が毎回バラバラで特定の店舗を集中的に使っていない場合は、2枚持ちの恩恵を受けにくいでしょう。

カードを使い分ける手間を許容できるか

2枚のカードを持つと、それぞれの支払日や利用額を把握する必要があります。「面倒だな」と感じる性格なら、無理に2枚持ちにする必要はありません。

一方、お得になるならある程度の手間は気にならないという考え方なら、2枚持ちは向いています。

クレジットカード2枚持ちのメリット・デメリット比較

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2枚目を作るかどうかを判断するために、メリットとデメリットを客観的に比較してみましょう。自分の状況に当てはめて考えることが重要です。

観点 メリット デメリット
ポイント還元 店舗ごとに最適なカードを使えばポイントが増える 使い分けを失敗すると逆にポイントが分散して貯まりにくい
利用可能額 2枚分の限度額を使えるため、大きな出費に対応できる 使いすぎのリスクが高まる
国際ブランド VISAとMastercardなど異なるブランドで対応店舗が広がる 国内利用のみなら大きな差は感じにくい
トラブル対応 1枚が使えなくなっても2枚目で支払える 紛失時の連絡先が2つになり手間が増える
年会費 無料カード同士なら負担なし 有料カードを2枚持つと年間コストが倍増
支払管理 用途を分けることで家計管理がしやすくなる場合もある 引き落とし日が複数になり把握が難しくなる

メリットを最大化できるケース

2枚持ちのメリットを最も享受できるのは、以下のような使い方をする人です。

  • 特定のネットショップ(楽天市場、Amazonなど)を頻繁に利用し、そこで高還元率のカードを使い分ける
  • 海外出張や旅行が多く、国際ブランドの使い分けや予備カードが必要
  • 月の支出が1枚の限度額に近く、突発的な出費に備えたい
  • カードごとの特約店を理解し、確実に使い分けられる

デメリットが大きくなるケース

逆に、以下のような状況では2枚持ちがデメリットになる可能性が高いです。

  • 現在の1枚でもほとんど使っていない、または月数回程度の利用
  • 支払日を忘れがちで、引き落とし口座の残高管理が苦手
  • どちらのカードを使ったか覚えていられない
  • 財布をよく失くす、または置き忘れることがある

2枚目を作るべき人・作らない方がいい人

ここまでの情報を整理すると、2枚目を作るべき人と作らない方がいい人の特徴が見えてきます。自分がどちらに当てはまるか確認してみましょう。

2枚目を作るべき人の特徴

特徴 理由
月のカード利用額が5万円以上 使い分けによるポイント差が実感できる金額
特定の店舗を週2回以上利用 その店舗に特化したカードで大きくポイントが貯まる
海外に年1回以上行く 国際ブランドの使い分けや予備カードが実用的
過去にカードトラブルを経験 予備カードの必要性を実感している
スマホアプリで支出管理をしている 複数カードの管理がそれほど負担にならない

2枚目は不要な人の特徴

特徴 理由
月のカード利用額が2万円未満 ポイント差が小さく、手間に見合わない
買い物をする場所が毎回違う 特定店舗での高還元メリットを受けられない
現金払いが中心 そもそもカード利用頻度が低い
クレジットカードを1枚も持っていない まずは1枚から始めて使い方を学ぶべき
家計簿をつけていない 複数カードの支払い管理が難しい

2枚目を作る場合の賢い選び方

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2枚目を作ると決めた場合、1枚目との組み合わせを考えることが成功の鍵です。ただ闇雲に作るのではなく、明確な目的を持って選びましょう。

1枚目を補完する視点で選ぶ

2枚目は1枚目の「弱点を補う」という視点で選ぶと、両方を活かせます。以下の組み合わせパターンが代表的です。

1枚目の特徴 2枚目に選ぶべきカード 補完できる点
ポイント還元率が高い 旅行保険が充実したカード 日常使いと旅行時の両方に対応
国際ブランドがVISA MastercardまたはJCB 利用できる店舗の幅が広がる
実店舗で強い ネットショッピングで高還元のカード オンライン・オフラインの両方を最適化
年会費無料の汎用カード 特定店舗で超高還元のカード 普段使いと特定シーンの使い分け

年会費の考え方

2枚目のカードを選ぶ際、年会費無料のカードを選べば金銭的な負担はありません。ただし、年会費が有料でも以下の計算式でメリットがあれば検討価値があります。

年会費 < (ポイント還元増加分 + 特典の価値)

例えば、年会費3,000円のカードで、年間5,000円分のポイントが余分に貯まり、空港ラウンジを年2回使う(1回1,500円相当)なら、合計8,000円の価値があり、年会費を上回ります。

申込みタイミングの注意点

三井住友カードの情報によれば、複数のクレジットカードを短期間に申し込むと、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。1枚目を作ってから最低でも3~6ヶ月は期間を空けることをおすすめします。

よくある2枚目カードの失敗パターン

2枚目のクレジットカードを作ったものの、うまく活用できていないケースがあります。同じ失敗をしないために、典型的なパターンを知っておきましょう。

失敗パターン1:使い分けルールがない

「なんとなく2枚持っている」状態では、どちらを使うか毎回迷い、結局1枚しか使わなくなります。作る前に「このカードはこの店で使う」という明確なルールを決めておくことが重要です。

失敗パターン2:特典目当てで作ったが条件が厳しすぎた

入会キャンペーンに魅力を感じて作ったものの、ポイント付与の条件が「3ヶ月以内に10万円以上の利用」など、自分の生活スタイルでは達成困難な場合があります。キャンペーンだけでなく、継続的に使えるかを判断基準にしましょう。

失敗パターン3:1枚目と似たタイプのカードを選んだ

1枚目も2枚目も同じような汎用カードだと、使い分けるメリットがほとんどありません。国際ブランド、得意な店舗、付帯サービスなど、何かしら違う特徴を持つカードを選ぶべきです。

判断に迷ったら:2枚目を作らずに様子を見る選択肢

ここまで読んで「まだ判断できない」と感じるなら、無理に2枚目を作る必要はありません。以下の状況になったら、改めて検討すればよいでしょう。

  1. 1枚目のカードで不便を感じる出来事が実際に起きたとき
  2. 特定の店舗やサービスの利用頻度が明らかに増えたとき
  3. 海外旅行や出張の予定が具体的に決まったとき
  4. 収入が増えてカード利用額が大きくなったとき

クレジットカードはいつでも作れます。「周りが持っているから」「なんとなくお得そうだから」という曖昧な理由で作ると、管理の手間だけが増えて後悔する可能性があります。

今の1枚で特に困っていないなら、そのカードを使い続けながら、本当に2枚目が必要になるタイミングを待つのも賢明な判断です。明確な目的ができてから作る方が、2枚持ちのメリットを最大限に活かせます。