アルバイト収入だけでクレジットカードを持てるのか、不安を感じている方は少なくありません。結論から言えば、アルバイトでもクレジットカードは作れます。申込条件を満たし、審査に通過すれば正社員でなくてもカードを保有できます。
ただし「作れる」といっても、どんな条件があるのか、審査では何が見られるのか、具体的に理解しておく必要があります。
アルバイトでもクレジットカードを申し込める理由
クレジットカード会社は、雇用形態だけで審査の可否を決めているわけではありません。アルバイトという働き方そのものが審査で不利になるのではなく、支払能力を総合的に判断した結果、カードが発行されるかどうかが決まります。
審査で重視されるのは「支払能力」
クレジットカードは後払いの仕組みであるため、カード会社は申込者に支払能力があるかを確認します。三菱UFJニコスによれば、アルバイトであっても審査に通ればカードを作ることが可能とされています。
支払能力の判断材料には、年収だけでなく勤続年数、信用情報、借入状況などが含まれます。アルバイトでも長く同じ職場で働き、安定した収入を得ていれば、十分に審査を通過できる可能性があるのです。
限度額30万円以下なら簡易審査の対象
法律上、限度額が30万円以下のクレジットカードであれば、一定条件をクリアすれば簡易審査で発行・更新が可能です。
年収が比較的少ないアルバイトの方でも、この仕組みを利用すればカードを作りやすくなります。
| 限度額 | 審査の厳しさ | アルバイトでの発行可能性 |
|---|---|---|
| 10万円~30万円 | 比較的緩やか | 高い |
| 50万円以上 | 厳しめ | 勤続年数・年収次第 |
| 100万円以上 | かなり厳しい | 低い |
アルバイトがクレジットカードを作れる具体的な条件
アルバイトの方がクレジットカードを申し込むには、カード会社が定める申込条件を満たす必要があります。条件はカードごとに異なるため、事前確認が欠かせません。
年齢条件を満たしているか
多くのクレジットカードは「18歳以上(高校生を除く)」を申込条件としています。何歳でも申し込めるわけではないので18歳未満は申し込めず、18~19歳の場合もカードによっては追加条件が設けられていることがあります。
- 18歳以上であればアルバイトでも申込可能
- 民法改正により、18歳以上は成年として親権者の同意なしで契約できる
- カードによっては「20歳以上」「25歳以上」などの年齢制限がある
- 学生の場合、18歳以上なら学生カードという選択肢もある
収入に関する条件は厳しいのか
申込条件に「安定した継続収入」「本人に収入があること」などの記載がある場合、その基準を満たす必要があります。しかし、この「安定した収入」の基準は明確に定義されておらず、カード会社ごとに判断が異なります。
オリコカードの説明では、アルバイトだから審査に通る・通らないといった単純な判断はできず、さまざまな情報から総合的に審査されるとされています。
申込条件がシンプルで「18歳以上で連絡可能な方」といった記載のみのカードであれば、アルバイトでも申込のハードルは大きく下がります。
年収の目安はどれくらい必要か
クレジットカード発行に必要な最低年収の明確な基準は公表されていませんが、一般的には年収100万円台でも申込可能とされています。アルバイトでも月収10万円程度あれば、年収120万円となり申込条件を満たすケースが多くなります。
重要なのは年収の「額」よりも「継続性」です。毎月コンスタントに収入を得ていることが、審査では高く評価されます。
審査で実際に見られているポイント
アルバイトという雇用形態そのものよりも、審査で重視されるのは以下のような要素です。これらを理解することで、自分が「作れる」状況にあるかを判断できます。
勤続年数の長さが信頼につながる
同じアルバイト先で長く働いているほど、収入の安定性が認められやすくなります。勤め始めたばかりでも審査に通らないわけではありませんが、1年以上の勤続があると評価が高まる傾向にあります。
アルバイトは時給制で収入が不安定に見えますが、長期間同じ職場で働いていれば、安定して収入を得ているとみなされます。勤続年数は審査基準の重要な一つです。
信用情報に問題がないか
過去のクレジットカードやローンの支払履歴、延滞の有無などの信用情報も審査で確認されます。携帯電話本体の分割払いも信用情報に記録されるため、滞納があると審査に悪影響を及ぼします。
- 過去に支払い遅延や滞納がないか
- 他社のクレジットカードで事故情報がないか
- 携帯電話の分割払いを延滞していないか
- 消費者金融からの借入が多すぎないか
信用情報に問題がなければ、アルバイトでも審査通過の可能性は大きく高まります。逆に、正社員でも信用情報に傷があれば審査に落ちることがあります。
他社からの借入状況
総量規制により、貸金業者からの借入総額は年収の3分の1までと定められています。すでに他社で借入がある場合、新たにクレジットカードのキャッシング枠を希望すると審査が厳しくなります。
ショッピング枠のみの申込であれば総量規制の対象外ですが、借入状況は審査で確認されるため、多額の借入がある場合は審査に影響する可能性があります。
アルバイトの種類による審査への影響
一口にアルバイトといっても、働き方は人によって大きく異なります。その違いが審査にどう影響するかを理解しておくことが重要です。
フリーターの場合
フリーターとは、パートやアルバイトで生計を立てている学生以外の人を指します。同じ会社で継続的に働いているフリーターと、日雇いや短期間の仕事を繰り返すフリーターでは、審査での評価が異なります。
セゾンカードによれば、申込条件を満たしたうえで審査に通過すれば、アルバイトの方でもクレジットカードを作ることは可能とされています。
| 働き方 | 審査での評価 |
|---|---|
| 同じ職場で長期勤務 | 安定していると評価されやすい |
| 複数の短期バイトを掛け持ち | 収入の継続性が疑われる可能性 |
| 日雇い中心 | 収入が不安定とみなされやすい |
学生アルバイトの場合
学生の場合、職業欄に「学生」を選択することで、本人の収入よりも「学生」という属性が重視される傾向があります。アルバイト収入が少なくても、世帯収入や学生という立場が考慮され、審査に通りやすくなるケースがあります。
学生専用クレジットカードは、収入に関する条件が緩やかなことが多く、アルバイト収入がわずかでも申し込める場合があります。
主婦のパート・アルバイトの場合
専業主婦がパートやアルバイトをしている場合、本人の収入だけでなく配偶者の収入も審査で考慮されます。申込条件に「配偶者に収入がある方」といった記載があるカードなら、本人の収入が少なくても申込可能です。
パート収入がある場合は、その金額を正確に申告することで審査に有利に働く可能性があります。世帯収入全体で支払能力が判断されるため、アルバイトでもカードを作りやすい状況にあります。
カードの種類によって「作れる」可能性は変わるのか
クレジットカードの審査難易度は、カードの種類や発行会社によって大きく異なります。アルバイトの方が「作れる」カードと「作りにくい」カードがあることを理解しておきましょう。
カードのグレードによる違い
一般カード、ゴールドカード、プラチナカードなど、カードのグレードが高いほど審査は厳しくなります。年会費が高額なカードほど、収入や社会的地位が重視される傾向にあります。
- 一般カード:年会費無料または低額、審査基準は比較的緩やか
- ゴールドカード:年会費数千円~数万円、安定収入が求められる
- プラチナカード以上:年会費数万円以上、高い年収と社会的信用が必要
アルバイトの方が「作れる」可能性が高いのは、年会費無料または低額の一般カードです。
発行会社による審査の違い
クレジットカードは発行会社によっても審査難易度が変わります。一般的に、消費者金融系や流通系のカードは審査基準が緩やかで、銀行系カードは厳しいとされています。
| 発行会社の系統 | 審査難易度 | アルバイトでの発行可能性 |
|---|---|---|
| 消費者金融系 | 最も緩やか | 非常に高い |
| 流通系(スーパー、百貨店等) | 緩やか | 高い |
| 信販系 | 中程度 | 中程度 |
| 鉄道・交通系 | やや厳しめ | やや低め |
| 銀行系 | 厳しい | 低い |
流通系カードは、自社の店舗やサービスを利用してもらうことを目的として発行されるため、顧客獲得を重視しています。そのため、アルバイトやパート、専業主婦でも審査に通りやすいとされています。
申込条件の記載内容で判断する
カードの公式サイトに記載されている申込条件を見れば、自分が「作れる」かどうかをある程度判断できます。
- 「18歳以上」とだけ記載:アルバイトでも申込しやすい
- 「18歳以上で安定した収入のある方」:やや厳しめ
- 「20歳以上で安定した継続収入のある方」:アルバイトには厳しい可能性
- 「25歳以上」など年齢制限が高い:ゴールドカード等、審査が厳しい
申込条件がシンプルであればあるほど、アルバイトでも「作れる」可能性は高くなります。
「作れない」ケースと理由
アルバイトでもクレジットカードは作れますが、すべてのケースで作れるわけではありません。審査に通らない場合の理由を知っておくことも重要です。
勤め始めたばかりの場合
アルバイトを始めて数日や数週間といった短期間では、収入の継続性が証明できないため審査で不利になります。勤続期間が短い場合、カード会社は「すぐに辞めてしまうのではないか」と懸念します。
勤続年数が1年未満でも申込は可能ですが、できれば数ヶ月以上働いてから申し込む方が審査通過の可能性は高まります。
信用情報に傷がある場合
過去に支払い遅延や債務整理などの事故情報があると、アルバイトかどうかに関わらず審査に通りにくくなります。信用情報に問題がある場合、その情報が消えるまで待つ必要があります。
- 延滞情報:延滞解消から1~5年間記録される
- 債務整理:5~10年間記録される
- 申込情報:6ヶ月間記録される
年収が著しく低い場合
年収が極端に低い場合、支払能力が認められず審査に通らない可能性があります。ただし、何万円以下なら絶対に作れないという明確な基準はありません。
学生や主婦の場合は、本人の年収だけでなく世帯収入も考慮されるため、本人の年収が低くても作れるケースがあります。
アルバイトでもクレジットカードは作れます。申込条件を満たし、勤続年数や信用情報に問題がなければ、審査通過の可能性は十分にあります。カードの種類や発行会社を選べば、アルバイトでも「作れる」カードは数多く存在します。