クレジットカードの分割払いを利用すると、高額な買い物でも月々の負担を軽減できます。ただし、3回払い以上になると手数料が発生するため、実際にどれくらいの金額になるのか事前に把握しておくことが大切です。

分割払いの手数料率と基本的な仕組み

クレジットカードの分割払いは、カード会社が購入代金を立て替える形になるため、3回払い以上では手数料が発生します。手数料率は「実質年率」で表示され、カード会社や支払回数によって異なります。

一般的な手数料率は、実質年率で12~15%程度です。支払回数が多くなるほど、総支払額に占める手数料の割合も大きくなっていきます。

主要カード会社の手数料率比較

カード会社によって手数料率には差があります。以下は主要カード会社の実質年率の目安です。

カード会社 実質年率
三井住友カード 12.00~14.75%
楽天カード 12.25~15.00%
イオンカード 10.05~12.42%
ポケットカード 17.95%

2回払いは手数料無料

多くのクレジットカードでは、2回払いまでは手数料がかかりません。支払いを少しだけ先延ばししたい場合は、2回払いを選ぶことで手数料負担なく分割できます。

ただし、購入後に分割回数を変更する「あとから分割」を利用する場合、2回払いが選べないケースもあるため注意が必要です。

具体的な手数料金額のシミュレーション

実際に分割払いを利用した場合、手数料はどれくらいになるのでしょうか。購入金額と支払回数別に具体例を見ていきます。

6万円の商品を分割した場合

6万円の商品を手数料率14.75%(実質年率)で分割払いした場合の例です。

  • 3回払い:手数料約1,476円、総支払額61,476円、月々20,492円
  • 6回払い:手数料約2,952円、総支払額62,952円、月々10,492円
  • 10回払い:手数料約4,920円、総支払額64,920円、月々6,492円

10万円の商品を分割した場合

10万円の商品を手数料率12.25%(実質年率)で分割払いした場合の例です。

支払回数 手数料 総支払額 月々の支払額
3回 約2,041円 102,041円 約34,014円
6回 約4,080円 104,080円 約17,347円
12回 約8,160円 108,160円 約9,013円
24回 約16,320円 116,320円 約4,847円

支払回数による手数料の違い

支払回数が増えるほど、1回あたりの支払額は減りますが、手数料の総額は増加します。24回払いにすると、3回払いの約8倍もの手数料を支払うことになります。

月々の負担と総支払額のバランスを考えて、無理のない支払回数を選ぶことが重要です。

分割払い手数料の計算方法

分割払いの手数料は、利用金額と支払回数、カード会社の手数料率によって決まります。正確な計算はカード会社ごとに異なりますが、基本的な考え方を理解しておくと便利です。

手数料の算出基準

手数料は「実質年率」を基に計算されます。実質年率とは、1年間借りた場合の利息率を表したもので、実際の分割払いでは月数に応じて日割り計算されます。

例えば実質年率15%の場合、1か月あたりは約1.25%となります。この率を基に、各回の残高に対して手数料が計算される仕組みです。

繰り上げ返済時の手数料返戻

分割払いの途中で残高を一括返済する「早期完済」を行うと、期限未到来分の手数料が返ってくることがあります。多くのカード会社では「78分法」という計算方法が用いられます。

ただし、早期完済には別途事務手数料がかかる場合もあるため、実際に返戻される金額は事務手数料を差し引いた額になります。

手数料を抑える方法と注意点

分割払いを賢く利用するには、手数料を最小限に抑える工夫が必要です。いくつかの方法を組み合わせることで、総支払額を減らせます。

支払回数を少なくする

最も効果的な方法は、できるだけ少ない回数で完済することです。月々の支払額は増えますが、手数料の総額を大幅に減らせます。

  • 3回払いなら手数料は最小限で済む
  • 家計に余裕があれば早めに完済する
  • ボーナス併用払いを活用して回数を減らす

手数料率の低いカードを選ぶ

カード会社によって手数料率には差があります。分割払いを頻繁に利用する予定がある場合は、手数料率が低いカードを選ぶのも一つの方法です。

イオンカードは比較的手数料率が低く設定されており、分割払いのコストを抑えられます。カード選びの際は、ポイント還元率だけでなく手数料率もチェックしましょう。

分割払いを利用できないケース

すべての店舗やカードで分割払いが使えるわけではありません。以下のようなケースでは利用できないことがあります。

制限のあるケース 詳細
加盟店の制限 1回払いのみ対応の店舗がある
カードの種類 一部のカードは分割払い非対応
特定のサービス 年会費や保険料は分割払い不可
エステや語学学校 法律上1回払いになる場合がある

分割払いとリボ払いの手数料の違い

分割払いと似た支払方法にリボ払いがありますが、手数料の発生方法が異なります。それぞれの特徴を理解して、状況に応じて使い分けることが大切です。

支払方法の違い

分割払いは支払回数を指定しますが、リボ払いは毎月の支払金額を固定します。例えば10万円の買い物をした場合、分割払いなら「10回払い」と回数を決めますが、リボ払いなら「毎月1万円ずつ」と金額を決める形です。

リボ払いは月々の支払額が一定なので管理しやすい反面、利用額が増えると完済までの期間が長くなり、手数料が膨らむリスクがあります。

手数料の計算方法の違い

分割払いの手数料は購入時に確定しますが、リボ払いの手数料は残高に対して毎月計算されます。そのため、新たな買い物を追加するたびに手数料が増加していく仕組みです。

使いすぎには注意して、計画的にクレジットカードを使っていくようにしましょう。